アースデイやんばる実行委員長・浦崎公子インタビュー【前編】

earthdayyanbaru

2016年03月10日 21:38

「人のせいにしない生き方」を。その刺激を与える、地球の日イベント
 インタビュー、写真、文:田中えり



「『人のせいにするんじゃなーいっ』ってオープニングで叫ぼうと思っているんですよ(笑)」

名護のヒンプンがじゅまるに見守られて開催されるイベント、“アースデイやんばる”。その実行委員長を務める浦崎公子さんは、待ちきれないとでも言わんばかりに、とても楽しそうなのだ。実行委員長の雄叫びで幕を開けることになるこのイベント、「人のせいにしない」とは一体どういうことだろう?

「自分で決めて生まれてきているし、この人生は自分でクリエイトしているんだってことを気づいて欲しいんですね。親のせい、環境のせい、社会のせいって言ってたら、結局自分の中にパワーがなくなってしまうし、自分じゃどうすることもできないって自分に刷り込んでしまうだけだと思うんです。この世界、自分が見たいように見て、見たいようにクリエイトしているんですよ。これはもう紛れもない事実。自分でどうにでもできるんだよってことや、自分はすごいんだよ、素晴らしいんだよってことを、気づいて欲しいんです」

このイベントに来場した人はもちろん、イベントに出店してくれる人、一緒に作り上げていく人達にも伝えたい、公子さんからのメッセージ。このメッセージに気づき、行動するきっかけにして欲しいというのが、“アースデイやんばる”に込められた思いだ。



公子さんがこのイベントを構想したのは今から5年も前。随分前から温めていた構想を、なぜ今実現させるのか。それは去年の2015年、世界を驚かせたある発表がきっかけだった。

「昨年の10月に、ベルギーのケシュ財団がフリーエネルギー装置を販売、その設計図を無料で公開したんです」

フリーエネルギーとは、空間のエネルギーを利用するまさにフリー(無料)のエネルギー。発電所の類は必要なくなる、新エネルギーの革命をもたらすもの。

「これまでエネルギーの争奪が政治や経済を動かし、戦争まで起こしてきたでしょ。フリーエネルギーが解禁されたら、そんなのが根本から覆される。経済の価値もお金の価値も全く変わってしまうだろうし、この変化は早いですよ。お金のために働くとか、そういう価値観ではなくなるはずだし、道徳観とか倫理観とかそれ自体も覆されていくだろうし、喜びの意味自体も変わっていくんじゃないかしら」

これまで常識だった価値観が崩されようとしている今、ではどんな価値観を持てば?

「そうなったときに指針になるのは、自分の光だけというか。自分がどうしたいか、自分はどうなりたいか、もうそれしかないんですよね。楽しいとか嬉しいとかワクワクするとか、そういうもので仕事を選択する時代になっていくだろうし、それが普通になる。何を選んでもいいし、どんなのだっていい、とにかく自分を大切にするということ。それを感じ取って欲しいんです」



この地球上で起こっていることなどを知ったうえで、自分を大切にする術を選びとって欲しいと公子さん。その知の部分を提供するのもこのイベントだ。

「知らないで選択をしてしまうと、そんなつもりじゃないのに誰かを苦しめてしまったりするから、敢えて知った上で何を選択するかっていうのを自分で決めて欲しいと思うんですよ」

知る刺激を与えるため、公子さんは5つのテーマを設けた。

1つめのテーマは、「持続可能な社会に向けて」。自然エネルギーのことを知り、新しい経済のあり方を考えるきっかけを与えてくれる。

「自然エネルギーが解禁になることによって、私たち色んなものが作り出せるようになると思うんですね。自分で作り出せたら、人に頼らないでも、仕事を嫌々ながらしなくても、自分は何をやりたいかっていう純粋な気持ちに戻れると思うんです」

アースデイやんばるでは、毎年開催に向けて、今後は風力発電や太陽光発電にも挑戦していくのだそうだ。

2つめのテーマは「食と農」。

「遺伝子組換食品は、自分達のホルモンバランスを崩し、ひいてはDNAにまで影響してしまう」と公子さん。心の状態までもが不安定になるそうだ。同じく危険性が叫ばれている植物のたねについても、企画が盛り沢山。自然のたね交換会や、自然栽培農家を交えたトークセッション、映画の上映会や、プランター講座なども予定されている。



3つめのテーマは「ていねいな暮らし」だ。

「自分を丁寧に扱うために、丁寧な暮らしをやってみる。例えば味噌を手作りするとか、お薬に頼り過ぎないとか、自分の体のケアは自分でするとかね」

イベントでは、必要最小限のものだけを持って日本一周を成し遂げた、“軽トラキャンパー”の軽トラックの展示もある。「これだけあれば生きていける」というものが軽トラの中に詰まっている。何が本当に必要なのか所有をミニマムにして、大自然の恵みを享受する暮らし。これも丁寧に暮らす1つの方法。そんな生活の一端を覗いてみるのも楽しいに違いない。



4つめのテーマは「循環型の社会」。公子さんが多大に影響を受けたという「ニンジンから宇宙へ」(赤峰勝人、1996年)という本には、こんな一文がある。「宇宙に存在するすべてのものは、循環している」。この循環システムを自ら壊し、地球の危機を招いているのは人間。人間は循環の輪から外れつつある。

「私たちは自然の一部として循環しているんですよね。でも人間だけ分断されていると感じている人が多いと思うんですよ。自分一人が水を使いすぎたって、電気を使いすぎたって大丈夫だと思っていると思うんですよ。自分は循環のサイクルの中にいるって気づけていないと思うんですよね」

身近なところから体験できる循環として、フリースタイルの物々交換会、xChangeも行われる。自分が大切にしていた洋服を、次に使ってくれる人に思いを込めて手渡す。物と一緒に思いまでもが循環していくと考えると、それだけでワクワクしてしまうではないか。
自分を大切にすることが、地球や環境と不可分につながっていることを感じ取る。はたまた、自分のためにと考えるのが苦手な人は、地球のために、何をすれば地球が喜んでくれるかを、立ち止まって考えてみるのもいい。その大切さを思えば、ひいては自分を大切にすることができるに違いない。全ての命はこの地球で繋がっている。その命を次の世代へリレーしていこうというのが、最後のテーマ、「子供、子育て、教育」だ。



「子供って宝だし、最近の子供の可能性ってすごいんですよ。光のエネルギーが全然違うというか。それに私たちがこれからできる教育って、型にはめることはできないと思うんですよね。その子の可能性を引き出す形の教育でしかなくなる。それも人間は色々なタイプがいるので、その多様性を認めていくための教育。そうすると子供たちは自分の軸がしっかりすると思うんですよ」

【後編】につづく♡